こんにちは。
右肩の調子が悪く、どうしたの?って聞かれても、いまだに「四十肩」と答える往生際の悪いロビーです。
今日は、「成長への切り札」について話そうと思います。サッカーの話だけでは収まらない可能性はありますが…お付き合いください。
考えるきっかけは、トレセンの選考会で起こったエピソードです。
トレセンという言葉に馴染みのない方もいると思いますので、詳しくはこちらから。
http://www.jfa.jp/youth_development/national_tracen/
チームが所属する市のトレセンの初回の選考会は、該当学年が全員が参加して行われます。自分が担当しているチームが該当学年だったので、選手を連れて全員で参加しました。
自分も含め、コーチ陣の中では、今年のメンバーの中から、トレセンメンバーに選ばれる選手は出ないな、難しいなって考えてました。
市内の大会に参加してもなかなか勝つことができてなかったし、意識的にも技術的にもまだまだ不足している部分が多かったので。
ところが、当日の選手たちの会話を聞いていると、
「俺と○○は、受かるけど△△はだめだな」
「いやいや、俺は大丈夫だけど、○○は無理だよ」
こんな感じでした。ほとんどのメンバーが、自分は大丈夫、合格するって思っていたみたいです…
それを聞いていて、最初のうちは、自信を持って進むことは大切だし、可能性を信じてトライすることは大切だよね、と思って、微笑ましく見守ってました。
ところが、選考が進むにつれて、ちょっと違う気がしてきました。
大丈夫、自分たちの実力は通用するって、疑いもなく思っている
どこかで気づいてはいるものの、その現実を受け入れてない
のどちらかの状態にあるんじゃないかと。
もちろん、この選考会は、他のチームの選手と一緒に練習する機会をつくることで、自分の現在地を把握してもらうという趣旨もあるので、今回の経験で、そのギャップがうめられれば、それはそれでいいわけです。
結果的には、コーチ陣の予想通り、合格者は1名も出ませんでした。
コーチ陣はその現実を見ながら、これからのトレーニングで何に取組めば良いのか、この部分は通用してる、してないを分析しながら選考状況を見ながら、話し合いながら過ごしましたので、それなりに有意義な時間でした。
選手は…
戻ってきた選手と話せば話すほど、自分の仮説は、かなり的を得ているような気がしてきました。多くの選手は、なぜ合格できなかったのか、想像すらできていないのですから…
これじゃ、上手くなるわけないや。成長しない。
出来ていないことが認識できなていない
または、出来ていないことを認めようとしない
自分としては結構、衝撃でした。
出来ないから試合に勝てない、出来ないから負けるんだって、自然に解っているって勝手に思っていたんです。自分は…
選手のいいところを見つけて、その能力を伸ばすことを大切にするあまり、出来ていないことへの伝え方や取り組みかたが、おろそかになっていたんじゃないか、また、オンリーワンの選手にと思うあまり、出来ることにフォーカスしすぎて、選手を勘違いさせてしまったんじゃないか…
けっこう、悩みました。はい。
その選手の個性だからといって、順位を決めない、そのことがらに優劣をつけないでいると、選手が現状で負けている、劣っていることを認識する機会を奪ってしまう。
これだと、いつまでも出来ていないことを認識できなかったり、認識しようとしない。だから成長するチャンスを奪ってしまう。
選手同士を比較することがダメなのではなくて、比較して劣っているからダメになってしまうことがいけない。劣っていたらそれを認識して、克服するのか、それ以外で勝負するのか考えてもらえばいい。
自分は一生懸命やっているから…
実際にはこれだけでは生きていけない。これから生きていく世界はもっと残酷で、結果やれなかったら、やってないと同じととられる世界が待ってるわけですし…
いろいろ考えましたが、考えてもやっぱり
その選手のいいところをどんどん伸ばしていきたい、穴の無い選手よりも尖った武器をもった選手になってもらいたい
ここは、変わらないんです。
バランスが大切なんですね。
出来ないところにフォーカスし過ぎると、いいところが伸びなくなってしまうかもしれなし、いいところばかりに、フォーカスし過ぎると、出来ないところを認識しないで過ごしてしまうかもしれない。
そもそも、出来ないことがわかんないと、出来ることもわかんないですしね。逆もそうですけどね。
そんなことを考えると、選手に成長してもらう機会をつくるために、コーチとして大切なのは、「現在地」を認識する手助けをどうやっていくか、なのかもしれませんね。
社会でもオンリーワンと言われる人たちは、自分の「現在地」をしっかり把握していて、どの部分で勝負したらよいのかをよく理解していると思います。プロの選手なんかもそうですね。
もちろん本質は、自分の描いている道に対して「現在地」を把握することなんだと思いますし、それが出来ている選手は、やはり成長スピードも恐ろしく早いと思います。
でも、多くはそこまでの自分の道が描かくことができていなくて、目の前にいる人たちと比較して「現在地」を把握していく繰り返しなんじゃないかと。
出来ないことがあったら、立ち向かうのか、違う方法を考えるのか、何度も選択して納得したり、後悔したり…
最終的には、自分の道を自分自身で描けるようになっていればいいんだと思います。
自分は、コーチとして「現在地」を認識する手助けをして、選手たちが描いた道のうえに、少しでもサッカーが関わってくれていたら、そう考えていきたいと思っています。
とういうことで、今日は、
「成長への切り札は、現在地の把握」
というお話をさせていただきました。
何だか、最初はこんな考えることになると、自分でも予想していなかったので、軽い気持ちで書きだしたものの、自分の考えを整理することが多くて、最後までたどり着くのに時間がかかってしまいました。(更新が遅れたいいわけ…笑)
みんさんにとっても、考えるきっかけになってもらえたら、幸いです.。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
みなさんが、それぞれいい時間をすごせますように。
では、また。
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